デジログ使いと翁の鍵 第1ログ―訪問者―
見習いの僕に
与えられた試練は
―殺し合い。
第1ログ
―訪問者―\r
「すまない!謝るから…助けてくれえぇ!!」
「助けろだと?俺は喧嘩相手の頼みを聞けるほど優しくはねぇんだよ」
全身を殴られてボロボロになった少年の目の前に立つのも、また、同年の少年。
「お、俺が大崎を殴ったから怒ってんだろ?な、なら、大崎にも謝るから…!」
ボロボロの少年は、判泣きで抗議する。
「やってから言ってんじゃ遅ぇんだよ!!」
そしてそのボロボロの少年は、ボロボロだということがわからないぐらいに何度も殴られる。
そこに今度は少女が駆け付け、二人の間に割り入ってきた。
「赤岸君!私はもう良いって言ったじゃない!それ以上―」「うるせぇ!」
赤岸と呼ばれた少年は、少女の言葉を遮って怒鳴った。
「俺はこいつが単純に気に入らなくなっただけだ。お前は関係ない」
「関係ないって…」
そのショートヘアの、美人というよりかわいいという言葉の方が似合う少女は呆れたような声を出した。そして、スッと目を細め、声を低くして言う。
「…風紀委員を呼ぶわよ…?」
「…チッ、わかったよ」 と、赤岸という少年はもう半分どころか三分の二泣きになっている少年を見下し、そこから離れる。すると、ついにボロボロの少年は涙を目に浮かばせて、去った。
「赤岸くん…庇ってくれたのはうれしいけど…なにもあそこまでしなくても…」
と、去った少年を確認し、少女が言う。
「大崎が無事ならそれでいい」
少年はぶっきらぼうに言った。すると少女は少し顔を赤らめて、
「…もう…赤岸くんの、馬鹿」と返す。
「名前で呼べって前に言った筈だ。君付けで呼ぶのお前だけだから気持ちわりぃ」
「…もー…しょうがないな、零太は…代わりに、私のことも友莉葉ってよんでよ?」
と、少し恥ずかしそうに友莉葉(ユリハ)は零太(レイタ)という少年を上目遣いで見た。
ここは、放課後の樫松(カシマツ)公立高等学校。どちらかと言えば低レベルな学校だが、赤岸零太というケンカ番長のため、一か月に一度は負傷者が出る。今日も零太は負傷者を出し、幼馴染みの大崎友莉葉を家に送って帰る、普通の日々を送る…
筈だった。
帰宅部の零太が家に着くのはいつも大抵五時ごろで、その日もいつもと同じく、だらだらと漫画を読んでいた。
すると、
後ろの押し入れでゴトッと音がする。
「!?」
与えられた試練は
―殺し合い。
第1ログ
―訪問者―\r
「すまない!謝るから…助けてくれえぇ!!」
「助けろだと?俺は喧嘩相手の頼みを聞けるほど優しくはねぇんだよ」
全身を殴られてボロボロになった少年の目の前に立つのも、また、同年の少年。
「お、俺が大崎を殴ったから怒ってんだろ?な、なら、大崎にも謝るから…!」
ボロボロの少年は、判泣きで抗議する。
「やってから言ってんじゃ遅ぇんだよ!!」
そしてそのボロボロの少年は、ボロボロだということがわからないぐらいに何度も殴られる。
そこに今度は少女が駆け付け、二人の間に割り入ってきた。
「赤岸君!私はもう良いって言ったじゃない!それ以上―」「うるせぇ!」
赤岸と呼ばれた少年は、少女の言葉を遮って怒鳴った。
「俺はこいつが単純に気に入らなくなっただけだ。お前は関係ない」
「関係ないって…」
そのショートヘアの、美人というよりかわいいという言葉の方が似合う少女は呆れたような声を出した。そして、スッと目を細め、声を低くして言う。
「…風紀委員を呼ぶわよ…?」
「…チッ、わかったよ」 と、赤岸という少年はもう半分どころか三分の二泣きになっている少年を見下し、そこから離れる。すると、ついにボロボロの少年は涙を目に浮かばせて、去った。
「赤岸くん…庇ってくれたのはうれしいけど…なにもあそこまでしなくても…」
と、去った少年を確認し、少女が言う。
「大崎が無事ならそれでいい」
少年はぶっきらぼうに言った。すると少女は少し顔を赤らめて、
「…もう…赤岸くんの、馬鹿」と返す。
「名前で呼べって前に言った筈だ。君付けで呼ぶのお前だけだから気持ちわりぃ」
「…もー…しょうがないな、零太は…代わりに、私のことも友莉葉ってよんでよ?」
と、少し恥ずかしそうに友莉葉(ユリハ)は零太(レイタ)という少年を上目遣いで見た。
ここは、放課後の樫松(カシマツ)公立高等学校。どちらかと言えば低レベルな学校だが、赤岸零太というケンカ番長のため、一か月に一度は負傷者が出る。今日も零太は負傷者を出し、幼馴染みの大崎友莉葉を家に送って帰る、普通の日々を送る…
筈だった。
帰宅部の零太が家に着くのはいつも大抵五時ごろで、その日もいつもと同じく、だらだらと漫画を読んでいた。
すると、
後ろの押し入れでゴトッと音がする。
「!?」
感想
- 2890: 白山です。初心者なので緊張していますが、これから頑張ろうと思ってます…。よろしくお願いします。後書きでした。 [2011-01-16]
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