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始福

[182]  ティッシュは乾かしてリサイクル  2009-09-10投稿
彼女は呪いました。
この戦いばかりの世界を。

彼女は祈りました。
神様が戦いを止めてくれるように。

彼女は考えました。
神様無しでどうやったら幸せになれるか。

しかし彼女は何も思い付きませんでした。

彼女は逃げました。

戦いが終わるまで隠れていよう、そう考えて。


10年程経った頃、戦いは終わりました。
地上に彼女を残して。

彼女はあてもなく誰もいない焼け野原を彷徨いました。
10日でしょうか、1ヶ月でしょうか、1年でしょうか。

そのときでした。
たった1人、兵士の生き残りと彼女は出会いました。

2人は一晩中、語り合いました。

あるとき、彼がこう言いました。

「そういえば僕はまだ君の名前を知らなかった。教えてくれないか。」

彼女は答えました。

「イヴ。」

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