チンゲンサイ。?
こうして毎日、公園のベンチに座りながら、考える事と言えば決まっていた。
妻や子供達には、次の仕事の当てがあるなどと、デカイ事を言ってしまったが、
鈴木が本気で言ってくれたのかどうかは、俺にも分からない。
単なる社交辞令にしては、出来過ぎた話だ。
しかし、今の俺には、鈴木のそんな気遣いがとても嬉しかった。
『――でさ、となりのクラスの北岡と木下が遂に付き合ったんだってよォ。』
『マジで?!』
ベンチに座ったまま考え込んでいた俺のすぐ側を、
2人組の男子中学生が通りかかった。
中学生にしては、随分ませた事を話してやがる。
親の顔が見てみたいもんだ。
元々、近眼だった俺が、
その男子中学生のうちの1人が、自分の息子だと気付くのには、若干の時間を要した。
『ユ、ユウ!!』
俺は、目の前を通り過ぎた我が子の後ろ姿に向かって、思わず声を掛けてしまった。
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