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遠い遠い君へ3

[309]  kuroko  2006-07-31投稿
お見送り。
私たち吹奏楽部は、名門高校の吹奏楽部を
送るべく、校門まで出た。

「はあ・・・。」

突然の出会いと、緊張したひと時の時間、
彼の優しい笑顔と、楽器を鳴らす時の横顔。
全てがフラッシュバックする。

なんで、今日始めて会った人のことで
こんなに切ない気持ちになってるんだろう・・・。

そんな疑問を抱えながら、彼を目で追っていると、
また、私の視線に気付いたように彼が振り返った。
すると、私のように歩みよってきた。
そして、彼は私に小さい白い紙を差し出してきた。
「え・・・?」


どうしていいか分からず首をかしげていると、私の手を取って
手の平にその紙を置いてきた。

「これ、俺のアドレス。まだ教えたいことがイッパイあるからさ。
 まあ、とにかくメールして!じゃね。」
そう言って、彼は走って団体の中に紛れて行ってしまった。

「ありがとうございます・・・。」
聞こえるはずも無いのに、小さくお礼を言った。

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