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ポジティブ・アクション41

[673]  ミッシェル  2009-09-20投稿

薄暗い繁華街の路地裏。

そこに、黒いタンクトップを着たゲイリーの姿があった。

そしてその背後には、三名の部下達。

彼等4人は、足元に転がる死体を見つめて深くため息をついていた。

目を潰されている者、腕が異常な方向へ折れ曲がっている者、口から血を流し倒れている者…。

…そして首を深く斬り裂かれているウォーレン。

彼の周りは赤黒い血溜まりで満たされていた…。

「何て事だ…。ウォーレン、まさかお前が…」

ゲイリーは悲しい表情を浮かべながら、そっと開かれているウォーレンの瞳を閉じさせた。
自分の右腕的存在である最も信頼していたウォーレンの死。

これはまさに彼にとって衝撃的な出来事であった。

…その時。

背後にいる部下達の一人が、何かに気付く…。

「ボス! 生きている者がいます!」

「何!?」

ゲイリーは直ぐに振り返り、その部下の元へと駆け寄る。

「こいつです」

…部下が注ぐ視線の先。

そこには口から血を流し、懸命に口を開こうとしている男の姿があった。

「お、おい! 大丈夫か!」

ゲイリーはすかさず、その男の肩を揺さぶりながら必死に声をかける。

「ぼ、ボス…」

すると、彼はゲイリーの呼び掛けにより意識を徐々にハッキリとさせていき、ゆっくりと壁にもたれかかった。

「おい! 一体何があったんだ!」

「あの男に…やられた」

「あの男?」

男は続ける。

「ディアスの幹部です…。長い髪に、コートを着た…」

「そいつ一人にお前等がやられたのか? 何て野郎だ…。そいつの居場所は分かるか?」

「わ、分かりません…」

「…そうか」

そう答え、ゆっくりとゲイリーは立ち上がり蒼く輝く空を見上げる。

「野郎…」


続く



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