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お祭り

[243]  橋本ゆかり  2009-09-21投稿
優の町には秋に神社のお祭りがある。

履きなれたスニーカーで家を飛び出して、友人と着いた神社で、優は溢れる光に目を奪われていた。

ところせましと並ぶ屋台。走り回る子供たち。
どことなくこもっている空気。


ふたつ縛りの少女が優に話しかける。
「村上君来てるといいね!」
「…っ!な、菜摘…あんまり言わないでよね」
実を言うと、図星なことを言われてしまい動揺した。

ショートの少女も言う。
「ははは…優は分かりやすいなー。さっきからキョロキョロしてるのは、やはしそうだったのだな」


菜摘も笙子も、中学に入ってからの友人なのだが、あっさり優は見破られてしまうのだ。


だが、お目当ての少年はまだいないようだった。

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