携帯小説!(PC版)

トップページ >> 恋愛 >> お祭り―三

お祭り―三

[193]  橋本ゆかり  2009-09-21投稿
「よー!今頃来たの?これから花火なんだって。見ようよー」
と笙子は矢継ぎ早に言った。

「相変わらず笙ちゃんの行動スピードにはびっくりだよね。」
「うん…」


数人の男女中学生は駐車場に座りこんだ。

偶然…とは言いがたい感じで優と村上は隣に座った。
風は丁度よく感じられた。

「部活が長引いて遅くなっちゃったよ。まったく、先生もこんな日に延ばすなよ、ってカンジだよな」
村上は笑って言った。


「マズイな、固まってるよ優…」
「分かりやすいね〜」
「しょうがない。助け船…」

ドーン…

「あ、花火だ!」
「始まったな。」

「あたしあの蝶みたいなの好きだな」
「いやいやいや、垂れるヤツだろ。」

2人は他愛ない花火の話を始めた。

たくさん光り、一瞬カラフルに煌めく空。
互いの顔も周りに照らされて…

今、隣にいられる
こんなに近くに。

(この状況が、幸せだと思えている今はまだ、告白なんてしないよ。)


「花火ナイスだね。」
菜摘は笑って言った。
「盗み聞きはよくないね、菜摘サン。」
と、笙子もニヤリと笑った。


いつか、こらえきれないぐらい、好きになってしまう。そんな日がきたら…

「断言しよう!!優はクリスマスに告白するね!!」
「笙ちゃん…それはあんたの希望でしょ!」

だが優は内心、ヒヤヒヤしていた。心を読まれたかのようなタイミングで言われたからだ。
「うちらに任せてよね。手伝うから。」

夜道、3人の少女たちはお祭りの熱気が冷めきらない様子だった。


「…ありがとね。さっきも助け船出そうとしてくれたよね。丸聞こえだったけど。
今日始めっからあたし、そわそわしてて2人も巻き込んじゃってさ」

「まぁ私の時はがっつり働いてもらうからね!その分だよ。貸しだよ、貸し。」
笙子が早足になりながら、空を見上げて言った。
「じゃあうちは倍で!」
菜摘がニコニコしながら言った。

煙が去ったあとの空には、星がきらきらと瞬いていた。

☆お し ま い☆

感想

感想はありません。

「 橋本ゆかり 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス