間違いletter 16
……彼女だ…!
でも…なぜ…?
呆然としている俺の顔を
不安そうに彼女は覗き込む
「…え…ああ、
うん、そうだよ」
俺はぎこちない笑顔で
うなずき答えた
それを見て彼女はさらに笑顔になる
そしてまたメモに書きこむ
『驚かせてごめんなさい
私は、坪川由香といいます
愛の友人です』
またメモに丁寧な字が並ぶ
俺が返事に困っていると
彼女はまたさらさらと
メモに文字を並べる
『声、でないんです
耳は聞こえているので
普通に喋ってください』
「あ…えっと、そうなんだ」
彼女はこの病室に慣れているのか
どこかからいすを二つだしてくる
「ありがとう」
向かいあって座り
俺はまた彼女のメモを
静かに待つ
俺の頭の中にはいくつもの
彼女への質問が浮かんでいたが
俺は黙っていた
やがてしばらくして
彼女がメモを差しだした
俺を待たせないように
焦ったのだろう
さっきより字が乱れている
さきほどより長い文字に
俺は目を向ける
ちらっと彼女に目をやる
何度も頭に描いた
優しい笑顔が返ってきた
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