サークルチェンジ #29
「今日はこの前解けなかった問題やってくぞ。
まずは歴史だな、16世紀半ばから17世紀初頭にかけて日本とポルトガル、スペインが行っていた貿易を○○貿易という。」
正太は先日隼人が解けなかった問題の答えを問う。
「えーと、なんとか貿易…なんとか貿易… うーんわかんねぇ。」
「正解は南蛮貿易。戦国時代の日本人はポルトガル人やスペイン人のことを南蛮人て呼んでたらしい。」
正太は机の上にあった地球儀を回しながら、隼人に説明を始める。
「ここが日本だろ、んでグルッと回ってここら辺がヨーロッパ。
ヨーロッパの中だとポルトガルやスペインは南にあるから、南蛮て呼ぶ説もあんだ。」
「ちなみに16世紀に種子島に火繩銃を伝えたのもポルトガル人だ。
まーぶっちゃけ、俺らの周りでポルトガルに縁があるもんとかないもんな。隼人がわかんなくてもしょうがねーよ。
あっ、地理の問題でポルトガルの位置を示すとこもあったから、ついでに覚えとけよ。」
「よし、次行くぞ。おっ今度は公民だな。
日本国憲法第14条 すべての国民は・・・」
隼人が正太に勉強を教わっている頃、青山はバッティングセンターでマシンの球を打ち込んでいた。
「へっくしょんっ。」
「あー、また誰か俺がポルトガルだ、ブラジルだって、噂してやがんな。」
カーンッ!
「まあいい、試合でカッ飛ばしゃー誰も何も言ってこなくなる!」
カーンッ!
青山・ロドリゴ・哲也
中学時代に4番を打ち、“愛知のA・ロッド”と称された打棒は健在だ。
カーンッ!
カーンッ!
今、青山はひたすら自分のためにバットを振る。
己に対する、周囲からの雑音の数々を弾き返すかのように――
まずは歴史だな、16世紀半ばから17世紀初頭にかけて日本とポルトガル、スペインが行っていた貿易を○○貿易という。」
正太は先日隼人が解けなかった問題の答えを問う。
「えーと、なんとか貿易…なんとか貿易… うーんわかんねぇ。」
「正解は南蛮貿易。戦国時代の日本人はポルトガル人やスペイン人のことを南蛮人て呼んでたらしい。」
正太は机の上にあった地球儀を回しながら、隼人に説明を始める。
「ここが日本だろ、んでグルッと回ってここら辺がヨーロッパ。
ヨーロッパの中だとポルトガルやスペインは南にあるから、南蛮て呼ぶ説もあんだ。」
「ちなみに16世紀に種子島に火繩銃を伝えたのもポルトガル人だ。
まーぶっちゃけ、俺らの周りでポルトガルに縁があるもんとかないもんな。隼人がわかんなくてもしょうがねーよ。
あっ、地理の問題でポルトガルの位置を示すとこもあったから、ついでに覚えとけよ。」
「よし、次行くぞ。おっ今度は公民だな。
日本国憲法第14条 すべての国民は・・・」
隼人が正太に勉強を教わっている頃、青山はバッティングセンターでマシンの球を打ち込んでいた。
「へっくしょんっ。」
「あー、また誰か俺がポルトガルだ、ブラジルだって、噂してやがんな。」
カーンッ!
「まあいい、試合でカッ飛ばしゃー誰も何も言ってこなくなる!」
カーンッ!
青山・ロドリゴ・哲也
中学時代に4番を打ち、“愛知のA・ロッド”と称された打棒は健在だ。
カーンッ!
カーンッ!
今、青山はひたすら自分のためにバットを振る。
己に対する、周囲からの雑音の数々を弾き返すかのように――
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