携帯小説!(PC版)

吹雪の兎

[669]  α  2009-09-25投稿
吹雪ふぶいた森の中

兎は雪の つぶての ただ中を、こそこそ 跳ね跳び餌 捜す。

雪が視界を掻き消そうとも、兎は不安で仕方ない。

幾度 幾度も立ち止まり、幾度 幾度も耳 澄ます。

雪の つぶてが荒れ狂い、兎の耳にも毛皮にも、冷たく鋭い結晶 叩き着く。


吹雪ふぶいた森の中

兎は跳ね跳び餌 捜す。

雪が後から後から降りしきり、兎の足跡消してゆく。

兎は雪の つぶてに打たれながらも、狼 怖さに吹雪を進む。


吹雪 降り止み森の中

空は蒼く晴れ上がり、冬の太陽 燦々と、雪に比したら暑いほど、惑わぬ光を降り注ぐ。

狼 巣から出でまして、雪の香に鼻 澄ます。

平らな雪原ところどころに、小さな足跡、みぃつけた。

切羽 詰まった子りすか野兎か、間抜けな所業は命とり。

狼 雪の凹みに鼻先つけて、風の向こうに足跡の主、みぃつけた。

狼 雪 蹴り、今 行くよ。

感想

  • 22915: 二つの視点で見れる。スゴく良いです。ブランキー [2011-01-16]

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