明日の僕はスーパーヒーロー 3
翌日、リョウは教室で自分の机を前に座っていた。そして窓際に目をやった。リョウの席は教室の最後尾だ。いた。サトウだ。確かにそこにいるのはサトウだ。
サトウは何をするでもなく、ただ窓の外を見ていた。そこにはどんな景色が写ってるのかはリョウには、まったく解らない。とそのときだクラスメイトの誰かがサトウに近寄り何事か告げていた。
リョウは休み時間になると窓際にいき「ここから見える景色はいいよな」と独り言のように言った。
隣にはサトウがいる。サトウは一瞬ビクリと身体が動いた。
「なっ、サトウ君」リョウは、はっきりと言った。
クラスメイトの誰もがその一言にリョウとサトウのいる窓際に視線を向けた。
そう言われたサトウはどうしてよいのかわからない様子だ。
リョウはサトウにまた話しかけた。
「ここから見られる景色ってたったの一年だからな」
それに対してもサトウはどうしていいのか、どう答えていいのか解らない様子だ。
そのときリョウは実感した。サトウ。こいつは相当酷い虐めを受けているのだと。リョウは抑え切れない怒りを覚え右手の拳を力の限り握りしめた。
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