アキ 3
教室がおわった後、名波アキに頼まれたモデルをすることになった。
個人的な人との関わりは苦手だ。
教室とはいえ、授業外。プライベートな時間だ。
生徒とは授業の時のみのお付き合い。
そう割り切っていた。
そう思っていたのに、面倒くさいことになった。
「名波くん、私はどうすればいいの?」
「どうもしなくていいっす」
「どういうこと?」
「先生と二人になりたかっただけだから」
この上なく、面倒くさい。
「絵を描かないなら帰ります」
「描くよ。何もしてない、そのままの先生を描かせて」
「……」
私は椅子に座り、外を眺めた。
青空が広がり、白い雲がふわふわと浮いていた。
空を見上げたの、久しぶり…
はっ…
いつの間にか寝ていた。私の肩には名波アキが上着を被せてくれていた。
ふと教室を見ると、キャンパスの横で名波アキが丸くなって寝ている。
私の絵…
「綺麗…」
「でしょ」
「!」
ニコッと私に笑顔を見せる。
「すごく…上手ね。こんな風に私を描いてくれるなんて」
「透さん、そのままだよ」
「…名前で呼ぶのは」
「今は教室の時間じゃない」
この時初めてアキに抱きしめられた。
続く
個人的な人との関わりは苦手だ。
教室とはいえ、授業外。プライベートな時間だ。
生徒とは授業の時のみのお付き合い。
そう割り切っていた。
そう思っていたのに、面倒くさいことになった。
「名波くん、私はどうすればいいの?」
「どうもしなくていいっす」
「どういうこと?」
「先生と二人になりたかっただけだから」
この上なく、面倒くさい。
「絵を描かないなら帰ります」
「描くよ。何もしてない、そのままの先生を描かせて」
「……」
私は椅子に座り、外を眺めた。
青空が広がり、白い雲がふわふわと浮いていた。
空を見上げたの、久しぶり…
はっ…
いつの間にか寝ていた。私の肩には名波アキが上着を被せてくれていた。
ふと教室を見ると、キャンパスの横で名波アキが丸くなって寝ている。
私の絵…
「綺麗…」
「でしょ」
「!」
ニコッと私に笑顔を見せる。
「すごく…上手ね。こんな風に私を描いてくれるなんて」
「透さん、そのままだよ」
「…名前で呼ぶのは」
「今は教室の時間じゃない」
この時初めてアキに抱きしめられた。
続く
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