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アキ 3

[315]  ゆう  2009-09-30投稿
教室がおわった後、名波アキに頼まれたモデルをすることになった。

個人的な人との関わりは苦手だ。
教室とはいえ、授業外。プライベートな時間だ。
生徒とは授業の時のみのお付き合い。
そう割り切っていた。

そう思っていたのに、面倒くさいことになった。
「名波くん、私はどうすればいいの?」
「どうもしなくていいっす」
「どういうこと?」
「先生と二人になりたかっただけだから」

この上なく、面倒くさい。

「絵を描かないなら帰ります」

「描くよ。何もしてない、そのままの先生を描かせて」
「……」

私は椅子に座り、外を眺めた。

青空が広がり、白い雲がふわふわと浮いていた。

空を見上げたの、久しぶり…






はっ…
いつの間にか寝ていた。私の肩には名波アキが上着を被せてくれていた。
ふと教室を見ると、キャンパスの横で名波アキが丸くなって寝ている。

私の絵…


「綺麗…」

「でしょ」
「!」
ニコッと私に笑顔を見せる。
「すごく…上手ね。こんな風に私を描いてくれるなんて」
「透さん、そのままだよ」

「…名前で呼ぶのは」
「今は教室の時間じゃない」


この時初めてアキに抱きしめられた。



続く

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