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夕陽の空に。第四話

[356]  亜紀  2006-08-03投稿
いつもどおり学校の授業を終えた後、友達と別れてタクヤの家に向かう途中、見知らぬ男と歩いてるサキを見た。
前に見た時とはまた違うヒト。
サキは見るたびに違うヒトを連れている。


そんなサキの姿を見て、アタシはやっぱりイラついた。

夕方の四時半。タクヤの家に着いた。
タクヤの家は共働きで、お父さんもお母さんも夜9時を過ぎないと家に帰ってこない。
中三の弟も、受験に向けてか夜の10時まで塾で猛勉強だ。

チャイムを鳴らさずに、中に入るとシャワーを浴びたばかりで、トランクスとジーンズ姿のタクヤがキッチンに立っていた。

『よっ。』

何気ない様子で挨拶をするタクヤ。

『うん。 シャワー、浴びてたんだね。』

タクヤの髪がまだ濡れている。肩にかけたタオルに、光る水滴が落ちる。

『ん、あぁ。夏は終わったはずなのに、外はまだジメジメ暑いからさ。
長谷川、何か飲む?』

タクヤはまだアタシのコトを名字で呼ぶ。二人の間に距離を感じた。

『ううん。いい。』

タクヤが冷蔵庫の中を覗きながら言う。

『そこら辺に座って待っててよ。それとも、オマエもシャワー浴びる?』

今度はオマエかよ。
アタシは黙ってリビングのソファに座った。

タクヤがいきなり後ろから抱きついてささやいた。

『もう、上行こっか?』

さっきとは違う、甘い声だった。
アタシが何も言わずにうなずくと、タクヤがアタシの手を取り二階のタクヤの部屋まで連れていった。

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