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夕陽の空に。第五話

[383]  亜紀  2006-08-03投稿
部屋に入るなり、タクヤに強く抱き締められた。
痛いくらい力がこもっていたけど、不思議と優しい。
『愛してる。』

そう言ってタクヤがアタシにキスをする。Hの前、タクヤはいつも、アタシに『愛してる。』と言ってくれる。
優しさのつもりかもしれないけど、その一言はアタシの心に深く突き刺さる。
その一言が、いつもアタシを苦しめる。
わかってるよ。そんなの、嘘だってことくらい。

永く甘いキスの後、タクヤがアタシを優しくベッドに倒す。
そしてもう一度、

『愛してる。』

そう言ってタクヤはアタシの体に愛撫を始めた。


アタシはタクヤに気付かれないように、ひとすじの涙を流した。

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