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夕陽の空に。第七話

[395]  亜紀  2006-08-03投稿
昼休みに最悪の光景を目撃。
屋上でサキとタクヤが話してたのを聞いてしまった。


『タックンさぁ、彼女とかいるのぉ?』
得意の猫なで声でサキが言う。

『そんなもんいねぇよ。』タクヤの顔がすでに少し赤い。

『なんでぇ?タックン、カッコイイのにぃ。じゃ、好きなヒトくらいいるでしょ?わかった!!2組の長谷川さんでしょ!?』
まさか自分の名前が出てくるなんて思ってないからビックリした。
でも、それがサキやり方。自分に惚れてるヤツを見つけたら気付かないフリして揺すりをかけて、焦らせて、告白させる。もちろん、O.Kはしない。それで満足するだけ。でも、完璧にフルわけじゃない。
生かさず殺さずがモットーの蜘蛛女。タクヤは蜘蛛の巣に気付いてない哀れなモンシロ蝶って感じ。

『違ぇよっ!んなわけねぇだろ!!それより、サキこそどうなんだよ?この間も、変な男に逆恨みされてたじゃん!サキは誰にでも優しいし、見た目も、、。だから勘違いされんだよ!   俺に言えば、そんな奴らボコしてやるのに。』
あーあ、完璧に惚れてるうえにこの男、相当馬鹿だ。蜘蛛女もまんざらでもない顔しちゃってるし。

でも、一番の馬鹿はそんな馬鹿男に本気で惚れてる、このアタシだ。

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