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アランバル8

[357]  ユータ  2006-08-03投稿
二人が戦いを終えて、しばらく歩くと、日が暮れてきた。なるべく安全な場所を探すと、二人はテントを張った。空には満天の星。
透き通るような暗い闇に、キラキラと輝く星が広がる。
「さっきの戦いだけど…」楽しそうに肉をあぶるユータにフドウは話かけた。
「…ん?」「ん?じゃない!…さっきの戦いはめちゃめちゃだったじゃないか」肉汁がポタリと落ちて、油が跳ねる。「そう?」
「剣士なのに剣は当たらないし、防御はうまいし、魔法に拳闘!?めちゃめちゃじゃないか」
「う〜ん…剣はなかなか当たらないんだよなぁ…魔法なんて何年も前に叔母がおしてえくれただけだし、拳闘ってなんだ?あれは兄貴と喧嘩したときに考えたんだ」
肉に思いきり噛り付く。
「喧嘩の時にって…化け物か?」少し笑いながら、フドウも食べる。
しばらくの沈黙の後、ユータが口をひらいた。
「俺の兄貴はさ…」「?」空を見上げながらユータは言った。「すげぇ〜…強かったんだ…魔導師のくせに剣術…拳闘…料理…なんでもできた…俺の憧れだったんだ…」
「だった?」星がキラリと光った気がした。

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