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春の恋8

[287]  フラン子  2009-10-05投稿
猛「いやだ。奈々以外は好きになれない。」

私は心の中でガッツポーズをした。

春(よく言った!猛くん)

隣の奈々を見ると、真っ赤な顔で呆然としている。

奈々「……うそ。」

私を見て、奈々が泣きそうな顔で抱きついてきた。

透「そういうことは本人に言えば?」

猛「だって、避けられてるし。お前は?彼女とは進展あった?」

透「いや、オレのことはいいから。明日、必ず奈々ちゃんにもう一回挑戦してみろ。」

猛「…おう。わかった。」

野球部「集合〜!!」


二人はキャッチボールを止めて、向こうへ走って行ってしまった。

奈々「春〜!春〜!どうしよう、私すごい事聞いてしまったよ〜。夢じゃないよね〜?!」

抱きついたまま奈々は興奮していた。

春「良かったね。明日が楽しみだね。」

そう言って一緒に喜んだが、私はさっきの透くんの会話が気になっていた。
透くんには彼女がいるっぽい。

春(なんだ…。)

一瞬だけ片想いしていた自分が恥ずかしくなった。

奈々の誤解は見事に解けた。

春(透くんにお礼言わなくちゃ…)

私は透くんに会いたいような会いたくないような、複雑な気持ちになっていた。

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