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黒戦〜第一戦〜

[370]  神宮  2006-08-03投稿
目覚めると周りには死体の山と血の匂い、火の海が拡がっていた。
「ふぅ・・・」
『死の海』の中に、一人の少年が寝転んでいた。
全身は血で染まり、片手には大剣、腕には『刺青』が彫ってあった。
その光景は少年ではなく、『死神』の姿そのままだった。
「腹減ったなぁ・・・」
鳴る腹を抑えて少年は空を見上げた。
空は赤く、雲は黒い。しかし少年はその光景がとても美しく見えた。
「・・・」
「やっと目覚めたか」
ふと気が付くと、隣に男が立っていた。
全身黒で身を包んだ男は、少年を立たせた。
「血はなるべく浴びるなっていっただろうが」
いつのまにか持っていたマントを少年に被せると、一瞬にして少年の赤に染まった体は白に染まった。
「これ以外と痛いんだぞ・・・」
「なら血で染めるな」
男は少年のマントを取ると、マントを地に捨てた。
マントは一瞬で扉に変わり、ドアが勝手に開いた。
「またこれか」
「時間が無いんだ仕方がないだろ」
男はいい終えると、扉に触れ何か呟いた。
「集中しとけよ」
「ハイハイ」
少年と男の周りに光が集まると同時に体が透けていった。
「町に着いたら、飯食わせてくれよ」
「あぁ、わかってる・・・」
眩しい光があたり一面を包み込むと、少年と男は消えてしまった。

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