アキ 9
アキとは何回かデートを重ねた。
アキとの約束。
破ったら、そこでお付き合い終了。
アキは約束通り、私に指一本触れることなく、一緒に過ごしている。
「水族館なんて、初めて」
「マジで?!」
今日はアキと水族館デート。
今までデートというデートをしたことのない私には未知の領域で、内心ドキドキしていた。
水族館にはいろんな魚がいた…。
熱帯魚のようにカラフルな魚。
透明でゆらゆらと気ままに泳ぐクラゲ。
ゆっくりと泳ぐ亀。
水は蒼々としていて、空気の白い泡が、幻想的に感じられた。
私は時間も忘れ、ずっと魚たちを見ていた。
アキは何も言わず、私の横にいて、一緒に魚を見ていた。
まるで夢の世界にいるようだった。
「アキ?」
女の子の声が後ろから聞こえた。
振り返ると、アキと同じ金髪にピアス。ミニスカートで派手そうな子が立っていた。
知り合い?
「…ゆか」
知り合いみたい。
「私、あっち見てるから」
私はその場を離れて、違う水槽を見ていた。
大学の友達?
誰なんだろう?
魚を見ながらそればかり考えていた。
後ろから話してる声がかすかに聞こえる。
聞かなきゃ、よかった。
“マタ、トマリニキテネ”
そう、確かにそう聞こえた。
続く
アキとの約束。
破ったら、そこでお付き合い終了。
アキは約束通り、私に指一本触れることなく、一緒に過ごしている。
「水族館なんて、初めて」
「マジで?!」
今日はアキと水族館デート。
今までデートというデートをしたことのない私には未知の領域で、内心ドキドキしていた。
水族館にはいろんな魚がいた…。
熱帯魚のようにカラフルな魚。
透明でゆらゆらと気ままに泳ぐクラゲ。
ゆっくりと泳ぐ亀。
水は蒼々としていて、空気の白い泡が、幻想的に感じられた。
私は時間も忘れ、ずっと魚たちを見ていた。
アキは何も言わず、私の横にいて、一緒に魚を見ていた。
まるで夢の世界にいるようだった。
「アキ?」
女の子の声が後ろから聞こえた。
振り返ると、アキと同じ金髪にピアス。ミニスカートで派手そうな子が立っていた。
知り合い?
「…ゆか」
知り合いみたい。
「私、あっち見てるから」
私はその場を離れて、違う水槽を見ていた。
大学の友達?
誰なんだろう?
魚を見ながらそればかり考えていた。
後ろから話してる声がかすかに聞こえる。
聞かなきゃ、よかった。
“マタ、トマリニキテネ”
そう、確かにそう聞こえた。
続く
感想
- 24039: 文章の運びが素晴らしいです…気持ちが伝わって来ました:遥花 [2011-01-16]
- 26529: レスありがとうございます(*^_^*)ゆう [2011-01-16]