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アキ 9

[247]  ゆう  2009-10-05投稿
アキとは何回かデートを重ねた。

アキとの約束。
破ったら、そこでお付き合い終了。

アキは約束通り、私に指一本触れることなく、一緒に過ごしている。




「水族館なんて、初めて」
「マジで?!」
今日はアキと水族館デート。
今までデートというデートをしたことのない私には未知の領域で、内心ドキドキしていた。

水族館にはいろんな魚がいた…。
熱帯魚のようにカラフルな魚。
透明でゆらゆらと気ままに泳ぐクラゲ。
ゆっくりと泳ぐ亀。

水は蒼々としていて、空気の白い泡が、幻想的に感じられた。

私は時間も忘れ、ずっと魚たちを見ていた。

アキは何も言わず、私の横にいて、一緒に魚を見ていた。

まるで夢の世界にいるようだった。





「アキ?」

女の子の声が後ろから聞こえた。

振り返ると、アキと同じ金髪にピアス。ミニスカートで派手そうな子が立っていた。

知り合い?


「…ゆか」

知り合いみたい。


「私、あっち見てるから」
私はその場を離れて、違う水槽を見ていた。


大学の友達?

誰なんだろう?

魚を見ながらそればかり考えていた。


後ろから話してる声がかすかに聞こえる。



聞かなきゃ、よかった。



“マタ、トマリニキテネ”


そう、確かにそう聞こえた。





続く

感想

  • 24039: 文章の運びが素晴らしいです…気持ちが伝わって来ました:遥花 [2011-01-16]
  • 26529: レスありがとうございます(*^_^*)ゆう [2011-01-16]

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