間違いletter 36
「……おまえ…」
眠る愛の隣でギターを弾いていた
あいつは俺らに気付き
手をとめた
「卓也じゃん
何してんの?」
直人が卓也のそばに寄る
「…いや…その…」
突然の俺らの登場に
卓也はうろたえていた
「番組の撮影…では
なさそうだな…
一人なのか?」
「ああ、そうだよ」
「…なんで?」
「……」
俺の右腕が突然解放された
俺のそばを離れたゆかが
卓也に近寄る
その表情からは
何も読み取ることができない
俺は一瞬ゆかがあいつを
殴るんじゃないかと思った
「おい、ゆか…」
「…?」
『あ り が と う』
ゆっくり動いた唇は
確かにそう言った
「…え?」
「ゆかは声がでないんだよ」
俺がそう言うと
ゆかはもう一度ゆっくり
唇を動かした
「…ああ…いや……」
はじめは驚き
硬い表情をしていた卓也も
ゆかが微笑むと
表情を緩めた
「弾いてよ」
「え?」
「ギター
愛のために歌ってたんだろ」
「…ああ」
俺が笑うとあいつは
照れくさそうに
ギターを奏ではじめた
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