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アキ 14

[225]  ゆう  2009-10-07投稿
俺は、透と透の旦那を残してその場を去った。

胸の中がざわざわとしていた。

後ろめたさなんか感じなかった。

あるのは嫉妬と羨望。

もっとはやくに透に会いたかった。

そしたら透を誰にも渡さない。

俺と、ずっと一緒だ。





ゆかの家に行った。
「アキ!」
ゆかが笑顔で迎える。

その場でゆかを思い切り抱いた。
「ちょっ…アキこんな所で…」
「うるさい」

うるさい
うるさい
うるさい

俺は苛立ちをゆかの身体にぶつけように、ゆかを思い切り抱いた。


「…ゆかとエッチしてる時はゆかの事、考えて…ね…」

ゆかが小声でそう言った。





ベッドに横になりながら、俺は透の事を考えている。
ゆかは俺の横で眠っている。


…こんな事、してちゃダメだ。
これじゃあ、前と変わらねぇじゃねーか…。




「…アキ、帰っちゃうの?」
「悪い。起こした?」
「ううん。アキ、泊まってってよぉ」
「…ゆか」
「ん?」
「俺…もうゆかとは会わない」
「……え?なんでぇ?」「もう決めたんだ」
「…なんでぇ…ゆかアキとエッチできるだけでいいんだよぉ。それじゃダメなの??」
「もう、やめよ。ゆか、他にも男いるんだろ?俺じゃなくてもいいだろ」「……」
「ゆか?」
「…やだよ」
「え?」
ゆかは今まで見たことのない、真剣な表情で言った。
「やだよ。アキ…。今まで重いとか思われるの嫌だったから言わなかったけど、ゆか…ほんとにアキが好きなんだよ。ゆかにはアキだけ。他の男なんかいないよ」
ゆかの頬に涙がこぼれる。
ゆかがそんな気持ちでいたなんて…。
俺は言葉を失う。
「やだよぉ。アキ…」
ゆかがしがみついてくる。

ゆっくりゆかの手を離し、ゆかから離れる。
「ごめんな。ゆか…」

俺はゆかを残してその場を去った。





続く

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