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旅の記憶(アイドリング 2 )

[411]  ヒロ  2009-10-08投稿
聡は性格からか、人を余り寄せ付けない。学生の頃は友達も居たのだが、会社勤めになり友達とは疎遠になる。
会社は年上の大人ばかりでアフターは居酒屋で…これでは仲良く馴れない。
だが、聡は良くも悪くも、寂しさから誰かを求める様な性格では無いのである。この性格のおかげで徒党を組んで走り周ったりする事は無かった。

聡は、自分の能力以上の力で走れるバイクが好きなだけだった。二十歳の頃まで一人で走り回り、世間と自分を考え認識する。
「自分は正しく無い」のだと。
自分の体を剥き出しにして走るバイクは本能的になりやすい。

暑ければ…

寒ければ…

雨、風、自分の感情…気分次第でその走りは変わってしまう。
特に怒りは始末が悪い。
すべてが敵の様な、荒い運転は他人も危険な目に巻き込んでしまい、その人を敵にまわしてしまう。

この頃の聡は、徐々に速く走る事が楽しくなっていた。その走りを邪魔されると「怒り」に支配され、邪魔をした者への復讐!!とばかりに荒く攻め立てる運転に変わってしまう。
その相手(車)と接触、聡は転倒しケガをする…

そんな事が「楽しい」のか?

聡は考え、大人へと成長して行く…

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