「俺と先輩の半年間」
「暑い、暑すぎる…」
真夏の中学校、二年五組と書かれた教室で机に頬を擦り付けているこの男子学生が主人公である。
(なんでこんなに暑いんだよ!?だいたい教室に扇風機ぐらいつけろよ!)
一人、心の中で叫ぶがイライラが増すだけで貧乏揺すりが止まらない。
すると、遠くから女子の叫ぶような声が聞こえてきた。普通なら慌てるところだがこの教室では毎日のように聞こえてくるから慌てない。
足音が俺の机の横で止まる。
「どうした、ゆきと?」
顔を起こし見上げると涼しそうな顔で俺を呼んでいる学校の人気者で俺の親友、松木 翼が立っていた。
「お前か、今日も賑やかだな」
少し嫌味混じりで言ってやった。
翼は辺りを見回し女子にわざと見えるようにカッターシャツのボタンをゆっくり開けていく。
「きゃー、翼くんこっち見てぇ〜」
女子の叫び声が教室中に轟く。
こいつは昔から天性のナルシストだから困る。まぁ顔は男である俺から見てもイケメンだが(イラッ)
「用がないならあっち行け」
手でシッシッシと向こう行けジェスチャーをしながら適当にあしらう。
「そんなこと言っていいのか?せっかく良いこと教えてあげようと思ったのになー」
翼の良いことって何か聞いてほしそうな顔がまた腹が立つ。
「良いことって何?」
無視するのも可哀想なので聞いてみる。
「ゆきとがこの前言ってたアーティストのファンがこの学校に居るんだよ、しかもそのファンが可愛い女子だってー」
別に同じ学校にファンがいるのは珍しくないかもしれないが俺には衝撃的な話だった、なぜならそのアーティストはマニアしか知らないというバンドだったから。
「よし、その人に今日の放課後会いに行くぞ!」
俺は即決でそう決めた。
あの日が初めて先輩と出会った日だった…
つづく。
真夏の中学校、二年五組と書かれた教室で机に頬を擦り付けているこの男子学生が主人公である。
(なんでこんなに暑いんだよ!?だいたい教室に扇風機ぐらいつけろよ!)
一人、心の中で叫ぶがイライラが増すだけで貧乏揺すりが止まらない。
すると、遠くから女子の叫ぶような声が聞こえてきた。普通なら慌てるところだがこの教室では毎日のように聞こえてくるから慌てない。
足音が俺の机の横で止まる。
「どうした、ゆきと?」
顔を起こし見上げると涼しそうな顔で俺を呼んでいる学校の人気者で俺の親友、松木 翼が立っていた。
「お前か、今日も賑やかだな」
少し嫌味混じりで言ってやった。
翼は辺りを見回し女子にわざと見えるようにカッターシャツのボタンをゆっくり開けていく。
「きゃー、翼くんこっち見てぇ〜」
女子の叫び声が教室中に轟く。
こいつは昔から天性のナルシストだから困る。まぁ顔は男である俺から見てもイケメンだが(イラッ)
「用がないならあっち行け」
手でシッシッシと向こう行けジェスチャーをしながら適当にあしらう。
「そんなこと言っていいのか?せっかく良いこと教えてあげようと思ったのになー」
翼の良いことって何か聞いてほしそうな顔がまた腹が立つ。
「良いことって何?」
無視するのも可哀想なので聞いてみる。
「ゆきとがこの前言ってたアーティストのファンがこの学校に居るんだよ、しかもそのファンが可愛い女子だってー」
別に同じ学校にファンがいるのは珍しくないかもしれないが俺には衝撃的な話だった、なぜならそのアーティストはマニアしか知らないというバンドだったから。
「よし、その人に今日の放課後会いに行くぞ!」
俺は即決でそう決めた。
あの日が初めて先輩と出会った日だった…
つづく。
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