アキ 最終話
俺の前から透がいなくなってから、1年が経つ。
俺はK大をやめて、今は美大に入るため、予備校に通っている。
親に逆らったのは今回が初めてで、親父もおふくろも驚いてたけど、結果的には俺の意志を尊重してくれた。
ゆかとも今は連絡すら取っていない。
「名波、んじゃ、また明日!」
「おう」
予備校の帰り。
毎週水曜日の夕方、地元の駅で無料で似顔絵を描いている。
客が来ない日は、空を見上げ、空の絵を描いて過ごした。
この広い空の下、透とつながっている。
そう想うだけで、俺は強くなれた。
きっと、これから先も、それはずっと、変わらない。
END
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