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もしも明日が1-6

[344]  花神ミライ  2009-10-11投稿

朝、今日は遅刻せずに登校した火葉に前の席に座っていた白井が話しかけてきた。

白井は昨日質問攻めにしてきた中で割りと好感の持てる生徒であったと思う。

「手塚、聞いたか?
杉山先生がいきなり退職したって…」
「杉山?」
「ああそうか手塚はまだ知らないんだよな…」

そう言って白井が杉山について話している間、火葉は全く別のことを考えていた。

「(杉山って確か昨日捕まえた違法異能力者だよな…
教師だったのか)」

白井の話を適当に流して教室をでた。
携帯のディスプレイを確認するとメールが一件。
「また佐倉か?」

送り主は佐倉ではなかった。
火葉の上司である佐倉のそれまた上司の志水だ。
「ありゃ志水さんか…」


『おはよう火葉くん。
昨日はお疲れ様だったね。
君には引き続き秋津高校で任務に当たってもらうよ。
では今日も頑張ってくれ』


「志水さん…優しいなぁ…」
しみじみと思う火葉。
志水の優しさの欠片でもいいから佐倉にあればいいと切実に思う。
しかしそれを佐倉に言ったところで
『志水は志水で俺は俺だ。』
と言って無視を決め込むに違いない。

「はぁ〜…」
盛大にため息をつき、志水の優しさを噛み締め、佐倉に小さな恨みを抱きつつ火葉は携帯を閉じた。


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