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DRAGON LOVER 47

[370]  木村蜜実  2009-10-12投稿
ぐずぐずど泣いているエリン…。
僕は訳がわからないから思わず…

「いい加減にしろよ…なんでそうなんだよ…。訳わかんね〜だろ…。」
と愚痴をこぼす。

「奈々ばっかり…。」

「えっ?」

「奈々ばかり心配してさ…あたしだって…。」
(なんだ…ヤキモチか…。)

「そんな事ないだろ。ただ、奈々は戦闘タイプじゃねぇし、妊娠だってしてんだぞ…。仕方ないだろ?」
僕はなだめたつもりだったが、不満げに僕を睨むエリン…。

「ハーンは何もわかってない!!」
とまた怒りだす。
そしてスタスタと歩き出した。

「こらっ!勝手に行くなよっ!!危ねぇだろっ!」

「うるさいなっ!!もうほっといてっ!!」

一度言ったら聞かない…。強情っ張りなエリンにはいつも悩まされる。

その時、死神達がいる方から悲鳴が聞こえた…。

「死神!!何やってんだよっ!!」
僕は走って戻る。
死神が腕を怪我して倒れている…。

奈々の姿がない………。

「死神!!テメーは奈々を守るんじゃなかったのかよっ!!」

「ご…めん…油断…した。」
僕は舌打ちをして奈々を捜す。

「秀明に連れてかれた…。ハーン…エリンは…?」
はっとした…。

エリン!!

また走ってエリンがいた場所に戻る。

遅かった…。
エリンも何者かに…
いや…
秀明に連れていかれた…。

僕は…
エリンとの約束を守れなかった…。

肩を落とし、死神がいる場所へと戻る。

死神は、自分でキズを治していた。

「エリンも、さらわれたのか…?」
こっちを見ず、死神が呟いた。

「俺が守るって言ったのに…。死神の事言えねぇな…。」

「まだ…大丈夫だ…。エリンも奈々も消えたりしない…。」
僕はその言葉に反応して顔を上げた。

「俺は死神だ。お前達の生死ぐらいわかるさ。だから、希望を捨てるな。俺達だけでなんとかなるだろ?」

「死神………。」

「お前の力はもっとすげぇもんだぜ♪それを出し切る時がきたんだ…。頼りにしてるぜ…ケルベロス…♪」

そうだ…。
俺はケルベロスだ…。

「よ〜し!!やってやるぜっ!!」

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