赤花と黒髪
夕日の優しい赤が、静かなこの部屋を包む。高鳴る鼓動を押さえる事に集中する私。奥のキッチンからカチャカチャとコーヒーを入れる音がする。。 見慣れたこの部屋さえ、私の心をきつく苦しくさせるよ。「来てしまった・・」私は小さく呟く。長い長い時間をかけて、育んで来た全て自ら壊す・・そんな状況になるほんの少し前に今私は立たされているような感じです。 「ど〜ぞ!」コ〜ヒカップが目の前にスーツと出てきた。一瞬ハッとして、コ〜ヒカップを受け取り・優しく微笑むトミーに微笑み返し「サンキュー」と平静を装う。「この前言った事、真に受けんなよな〜冗談だから」 少しかすれたトミーの声は私のすぐ隣りから聞こえた。そして、今話した〜この前の事・って言うのは、今私が期待してる事で・・。そもそも、トミーは私の彼氏(ヒロ)の親友で、自由人のヒロは〜時折、私の事など忘れて遠くに行ってしまったり、他にいる女の所に行ってしまったりする。けど、いつも最後は私の所にちゃんと帰って来るヒロを・・泣きながら待ってる・・・そんな時は決まってトミーの部屋に押し掛けて飲んで・・騒いで〜泣いて・・。ヒロといる幸福な時間より。トミーの部屋で、トミーの胸を借り泣く時間の方
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