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【夢くい】3

[349]  豚姫  2006-08-05投稿

町の中にはもう手遅れで息たえてる者や、怪我をしていて動けない者達がいろんな所に倒れていた。

「何があったんですか??」

ミューは倒れている者に駆け寄り問いかけた。

「いきなり魔女が・・」
「もしかして人間がいるのか??」
「!!・・はい」
「その人は今どこに??」
「ここから真っ直ぐに行くと森に出ます。そこに小さな家があって・・」
「そこにいるんだな、分かった」

ライトとミューは背を向け歩きだした。

「お願いします。シキを助けてください」

ライトとミューは無言で町を急いで抜けて森へと向かった。

「ライト!!あそこ煙が上がってる」
「・・まだ生きてるといいけどな」


森を進むと木が無い広い花畑に出た。そこには赤い屋根の家が一件立っている。家に近づくと、ドアは壊れていて家の外には誰もいなかった。

「入るぞ」

ミューはライトの声に黙って頷いた。家に入ると大きな爆発音が聞こえて、ライトとミューは急いで音の聞こえた方へと向かった。

「おいっ!!」

部屋にゆっくり入ると、部屋の真ん中には紫の髪と瞳をした魔女が立っていて、その奥には少女が倒れている。

「誰だ??邪魔をするなら殺す」
「はっ??誰が誰を殺すって??笑わせんな!!」
ライトは大剣を鞘から抜き、魔女に切りかかると魔女は手をライトにかざした。

「ウインド《竜巻》」

魔女が唱えると魔女の額の石が光り、大きな竜巻がおこり家の屋根や壁は吹き飛んだ。

「・・死んだか」
「勝手に殺すな」
「何っ!!」

ライトは少女を抱えてミューと竜巻を避けて無傷だった。

「・・おい生きてるか??」

ライトが少女の肩を揺すると少女は眉間にシワを寄せ少し苦しそうに目を開けた。

「・・っ!!・・あなた達は??」
「ただの通りすがりの旅人だ」
「そうですか・・・ネロ!!ネロは!!??」

少女はいきなり焦りだしと辺りを見渡した。

「ネロ??誰だ????」
「クスクス」

魔女はいきなり笑い出した。

「・・さっき私からお前を必死に守っていた男かい??・・アイツならもう体内に取り込んでしまったよ」
「えっ!!!???・・ウソ・・ウソよ・・」
「ウソじゃない。最後までお前を守っていた馬鹿な男なら食っちまったよ」
「・・ネロ・・ネロ・・いやあぁぁぁ!!!!!!」

少女は頭を抱えて泣き叫んだ。森には少女の泣き叫ぶ声と魔女笑い声が響いた。

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