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溺れる魚 2

[276]  ゆう  2009-10-19投稿

郁恵が地元を去ってからまったく連絡が取れなくなった。


14年後…

正直、郁恵や新のことは忘れかけていた。

ある日、仕事帰りにスーパーで買い物をしていた。
「真理?」

少しトーンの低い、懐かしい、声。

そこにはあの頃と変わらない郁恵がいた。
14年もの歳月が経ったなんて嘘のようだった。

「郁恵!何?帰ってきたの?」
「うん。つい先月」
「元気だった?」

私たちは離れていた時間を埋めるように、その後喫茶店に入り、いろんな話をした。


♪♪♪
「あ、ごめん新だ。もしもし?新?お母さん今、駅前の喫茶店にいるの。久しぶりに友達にあって。うん。でね、ちょっと荷物多いから迎えに来てほしいんだけど…。うん。じゃあ待ってるから」
「新くん?来るの?」
「うん。来てくれるって。今、高2なの」
「うわ〜私2歳の時会ったのが最後だよ!」
「だよね!」

その時は、これから起こることなんて予想もしていなかった。

新と恋に落ちるなんて夢にも思っていなかった。
「新!こっちだよ」
郁恵が声を掛けた先には、赤ちゃんの頃の面影なんて微塵もない、学ランを着た、背の高い男の子が立っていた。



続く

感想

  • 27897: えっ恋に…斬新…ワクワク…期待…シャイン [2011-01-16]

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