溺れる魚 6
いつの間にか私は休日なのをいいことに酒を飲み始めていた。
「大体、前の前の前の彼なんかね…」
「岸さん、飲み過ぎなんじゃ…だいじょぶすか?」
「家に行ったら、別の女が部屋にいたのよ?どうよコレ。ありえないよね」
私は止まらなくなっていた。酒には強い方なんだけど…
「…岸さん?」
気づくと涙がポロポロと溢れていた。
「…泣けなかったの。悔しくて、泣けなかった、の」
涙は止まらない。
「…だいじょぶです。泣いていいです…」
お酒のせいだろうか。
頭がクラクラする。
どっちからともなく、
私と新はキスを、していた。
キス、キス、キス…
ふと新は我に返ったのか、いつの間にかいなくなっていた。
私は横になり朝まで眠り続けていた。
続く
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