溺れる魚 7
なんてことをしてしまったんだろう。
酔っていたとはいえ、よりにもよって友達の息子に、高校生に手を出すなんて!
なんて馬鹿!馬鹿!
大馬鹿者!
あれから一週間が経っていた。
新がうちを訪れることはなかった。
もちろん私も新のケー番すら知らないし、何もできなかった。
仕事帰りにあの公園を覗いても、新はいない。
今度こそもう二度と会えないのかも… そう思っていた矢先、新が私のマンションの前で待っていた。
新を部屋に入れ、お茶を出す。
「…この間は、本当にごめんなさい…。謝って許される事じゃないと思うけど、本当にごめん」
「…謝らないでください」
「ほんとごめん。私酔ってて…」
「俺は、この一週間ずっと岸さんの事、考えてました」
「私だって、新くんのこと…」
「そうじゃなくて…」
新がまっすぐに私を見る。
「酔ってたからキスしたんすか?」
「え?」
新は私の手を握ってきた。手が、少し震えているような気がした。
「俺、こういうの慣れてないから…でも、俺、岸さんが………好きになりました」
続く
感想
- 26263: 実話? [2011-01-16]
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