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散花

[395]  hisane  2006-08-06投稿
The sky was blue all over。

唯、
そう、なんとなく、飛べる気がした。
心が軽く、空に溶けて。
それは、錯覚に過ぎないけれど。

―散花―\r

線路を行く、列車。
規則的に揺れる車内。
働く、慣性の法則。

窓枠に、
私の目に、
映る、
染まる夕日。
オレンジ色の海。
その色は、
なんだかあたたかくて、切なくて、
目に沁みて、悲しくなった。

もう、きっと、
遠くまで、来てしまっている。

ゆるく、握り締めてた、
てのひら。
異様に白く、青い動脈が透ける。
夏だというのに、焼けることのない素肌は、
他の人と、違う、ということを示唆しているようで、
目を伏せた。

幼き日に、
いつか、誰かが言った。
私は、白いヒカリに、咲く花だと。
たくさんのものに支えられて、いつか、必ず、花咲く花だと。
だから、今を頑張って生きるんだよ、と。

ずっと、信じてきた。
ずっと、花に水をやるように、
涙目にになりながらも。
いつか、そんな日が来ること。
信じてた。

けれど。

私は、
もうじき、枯れて逝く。

知ってしまったの。
命の残量を。

誰かが、泣いて気がする。


だから。


縛り付けていた其処から、
抜け出すように、
せめて、
枯れ朽ちるなら、
青空の下で。


私、
旅に出る。

あの、青空に、還るように。
両手広げて。

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