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ネバーランドの終焉

[414]  アイ  2009-10-24投稿
桜の花が散る時に、一緒に消えておけばよかったんだ。

そうすれば、今、こんな想いをしなくてすんだのに。

あの家出の夜に、思いっきり泣き叫べばよかったんだ。

そうすれば、今、泣くに泣けない気持ちを押し殺さずにすんだのに。

世界は残酷だ。

それをわかった上で生きている人間は、もっと残酷だ。

残酷で、強い。

強いから生きていける。

寂しさを殺す術を知っているんだろう。

傷つけられず、集団の中で、うまくやっていく自信があるんだろう。

好きなんだろう。

誰よりも、まず、自分自身が。

それなのになぜか。

私たちは誰か大切な人を探して。

すべてをぶちまけたいと思っている。

強いはずなのに。

それほど期待もしてないくせに。

信じてないくせに。

私たちは何食わぬ顔をして、実は血眼になって誰かを探している。

分かち合える人を。

心から信頼できる人を。

自分に合わせてくれる人を。

自分から他人に合わせる気はないくせに。

わがまま。

でも、きっとみんなはそうやって生きている。

昔は子供だったからわからなかった。

愛と勇気と優しさと真実。

すべてすべて、子供時代の自分は、手のひらに持っていたはずだ。

固く握り締めていたはずだった。

だけど、前より少しだけ大きくなった手のひらには、正直、何も残っていない。

私は大人の国に来たのだと思う。

今度はこの世界で、うまくやっていく術を学ばなければならないのだと思う。

出会ってきた人たち、すべての背中を、しっかりと見習いながら、私は私の道を歩いていく。

――残酷な世界。

その景色の中を、できれば爽やかに歩いていきたいと思う。


感想

  • 26407: 今、思えば無邪気な子供時代が懐かしいです。 フェリス [2011-01-16]
  • 26458: 本当ですね。フェリスさん、感想ありがとうございます!アイ [2011-01-16]

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