この空が絶望に染まる、その前に 〜サニー村〜
―サニー村
「カリじいー!
今日は何が食いたいー?」
レンは庭の畑から
家の中にいるカリに
声をかけた
「そうじゃなあ…」
カリは椅子に深く座りなおし
読みかけの本を閉じた
土で造られた質素な家が
立ち並ぶ村はいつものように
子ども達が走りまわり
大人達は畑仕事をしていた
「もう!カリじいー?
聞こえてるー?」
「…何やら嫌な気配がする…」
「何か言ったー?」
扉を開けレンは顔を出した
「レン、今日は木の実の料理が
わしは食いたいぞ」
「森まで行かなきゃ
ならないじゃない。」
「どうしても食べたいのだ。
悪いが木の実をとってきてくれ」
レンは不機嫌そうな顔をしたが
嬉しそうなカリの顔を見て
呆れたように笑った。
「わかったわ。」
レンは家の戸棚から
籠をとり出ていった。
―「…レン…いったい
どこを探せばいいんだろう」
ルカは振り返りながら呟いた。
そのルカの後ろを
不安気な表情のふわふわした
茶色いくせ毛の
15歳くらいの少年と
無表情で長い銀髪で
ルカと同じくらいの歳の女が
ついてくる
「なんでこの2人と
一緒なんだよ」
ルカはため息をついた
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