【夢くい】5
「・・・」
「どうした??どこか痛むか??」
「・・ネロ」
少女は呟き瞳から涙を流した。
「・・・・・・・・あっ!!ごめんなさい助けてもらったのに名前すら名のってませんでしたね。私の名前はシキです、種族は見た目から分かると思いますけど人間です」
真っ白の透き通るような肌に、黒い瞳と黒い髪は人間の象徴だが、シキの漆黒の瞳と漆黒の腰まである長い髪はとても美しかった。
「ぁたしはミューで、こっちがライト」
ミューはライトの肩をポンッと叩いた。
「なぁ、ネロって??」
「・・ネロは私と同じ人間で、6年前にサウロの城から共に逃げて来ました」
「サネウロっ!!!!」
「・・はい」
「何でサウロなんかに・・」
ライトは驚いた顔をして、少女の肩を掴んだ。
「ライトっ!!」
ミューは止めようとしたがライトの耳には入っていない。
「???・・えっ・・捕われていたんです、人間だから」
「食うためか??」
「はい。魔女は人間を食べる事で魔力をつけます。だからサウロは世界中から人間達を集めて捕まえました。そして、私もネロもその1人です」
「じゃあお前サウロの城を知ってるのかっ!!??」
「知ってます」
「・・・」
ライトはいきなり黙ってミューを連れて部屋を出て行った。
「ちょっとライト!!いきなりどうしたの??」
「アイツを何が何でも連れて行く」
「えっ!!??」
「アイツを連れて行けばサウロに近づける」
「・・そりゃそうだけど」
「お前魔法をときたくないのか??」
「ときたいよ」
「なら迷う暇なんて無い。分かったか??」
ミューは黙って頷いた。ライトは部屋へと戻って行き、その場にしゃがみ込んだ。
「・・バカ」
ライトが部屋に戻るとシキはベットから起き上がり駆け寄った。
「・・ライトさんいきなりどうしたんですか??」
「・・あのな、旅について来てほしいんだ」
「はっ!!???」
「ミューと話した結果だ・・ダメか??」
「ダメと言うか・・いきなり過ぎて頭が混乱して来ました・・」
「なら1日待つ。俺達は宿には来ないから、ゆっくり考えて行く気になったら明日の夜9時に町の入り口に来い」
ライトは一方的に告げて部屋を出ていった。部屋に残されたシキはただ黙ってベットに座った。
「強引すぎだよ・・」
シキは重いため息をついた。
感想
感想はありません。
「 豚姫 」の携帯小説
- 【携帯版】多賀城[たがのき]の携帯サイトが完成しました。
- PC用小説サイト新設のお知らせ
- 「携帯小説!」がスマートフォンに対応しました
- 【状況報告】03/18の管理人現況
- 【ネット復活】更新再開
- 管理人です。
- サイトの新デザインを作ってみました。