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溺れる魚 9

[264]  ゆう  2009-10-26投稿

あれからまた一週間が過ぎようとしていた。


これでいいんだ。

このまま何の関係もなくなる。

新にとっても、それが一番いい。

新が年を重ねて大人になった時、ああ昔、酔っぱらいのおばさんにキスされた事あったなぁ。
その人に優しくされて、好きだとか勘違いしたことあったなぁ。
とか、新にとってそんな思い出になる。


そんな事を考えて夜を過ごした。


正直、高校生といえど大人びた新の告白には動揺してしまった。

でも私からしたら、やっぱり子供だ。恋愛感情なんか抱けない。

私が新を恋愛対象として見るなんて…そんなのどう考えてもありえない。

このときはそう思っていた。

いや、そう思おうとしていたのかもしれない。


私を真っ直ぐに見る新の顔を思い出す度、胸が苦しくなった。





翌日、仕事の帰り道にあの公園を覗いた。


新と会うつもりなんてない… ないけど… でも…


今思えば、新に会えることを期待していたんだと思う。



視線の先に見えたのは、ベンチに座る新。




それともう一人、可愛らしい女の子が新の隣に座っていた。



続く

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