MARIA〜人魚の恋〜(15)
何とか身にまとったマリアは、ゆっくりと岩を降り地に足を付けたが上手くバランスが取れず…
そのまま倒れこんだ。
…と、思ったのだが気付いたサイファが抱き留めた為、綺麗な薄ピンクのドレスは砂塗れを免れた。
「大丈夫ですか?」
頭上にサイファの顔がある。
そう考えただけで硬直してしまうマリアは頷くのが精一杯だった。
サイファの体が離れて初めて「ありがとう」と口にする。
サイファは柔らかく微笑むと疑問に感じていた事を訊ねた。
「一体、何処から来たんだい?」
「…!」
唐突な質問に躊躇する。
「あ…あの…」
実は私は人魚で、海の底からやって来ました…なんて言える筈もない。
と、口籠もる様子を察したサイファは違う質問を投げかけた。
「マリア…だったね。失礼した。もし貴女に此からの予定がないのであれば、是非とも私の城にお招きしたい」
彼からの思いも寄らない招待に心が揺らめいた。
「はい!」
マリアは飛躍する気持ちを出来るだけ抑えて返事をすると、慣れない足取りでサイファの後に付いたのだった。
そのまま倒れこんだ。
…と、思ったのだが気付いたサイファが抱き留めた為、綺麗な薄ピンクのドレスは砂塗れを免れた。
「大丈夫ですか?」
頭上にサイファの顔がある。
そう考えただけで硬直してしまうマリアは頷くのが精一杯だった。
サイファの体が離れて初めて「ありがとう」と口にする。
サイファは柔らかく微笑むと疑問に感じていた事を訊ねた。
「一体、何処から来たんだい?」
「…!」
唐突な質問に躊躇する。
「あ…あの…」
実は私は人魚で、海の底からやって来ました…なんて言える筈もない。
と、口籠もる様子を察したサイファは違う質問を投げかけた。
「マリア…だったね。失礼した。もし貴女に此からの予定がないのであれば、是非とも私の城にお招きしたい」
彼からの思いも寄らない招待に心が揺らめいた。
「はい!」
マリアは飛躍する気持ちを出来るだけ抑えて返事をすると、慣れない足取りでサイファの後に付いたのだった。
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