この空が絶望に染まる、その前に 〜レン〜
「無理」
「なんで?!」
レンは明らかに不機嫌そうだ。
「船…ってことは
旅をするのでしょう?
私はこの村でただ
平和に暮らしたいの。
戦いだとか世界平和に
興味はない。」
「今の世界じゃ
平和に暮らすのは無理なんだ!
世界の各地ですでに
破壊が始まってる!
ここだっていつ壊されるか
わからない…
この村を守るには
戦うしかないんだよ!!」
「…だったらなおさらよ。
私はカリじいを一人にできない」
「カリじい…?」
「あの…英雄と言われた
カリのことだな」
「英雄なんて、昔の話。
今はすっかりただの
じいさんよ。
カリはずっと私を
育ててきたの。
そんなカリをおいては
いけない。」
「…」
「そういうことだから。
そろそろ日がくれる…
悪いけど私はこれで…」
バアーン
「!!?」
4人は音のした方を
振り返った。
だが木が並んでいるだけで
何が起きたのかわからない。
「…村の方からだわ…」
レンは走り出し
ルカ、ロラン、ルシー達は
顔を見合わせ、
彼女を追いかけた。
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