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DRAGON LOVER 58

[344]  木村蜜実  2009-10-28投稿
「殺セダト…?」

「そうよ…何とも思わないなら…殺せるでしょ?」
ためらっている…。

「無理ダ…オ前ヲ殺ス事ハ出来ナイ…。マズ、ケルベロスヲヤッテカラダ!!」

(不意打ちかよっ!!)
キマイラの攻撃をかわし、僕は身構える。

「消エテシマエ!!」
噛み付きながら炎を吐く。
僕の体は炎に包まれた!

僕はキマイラの体を噛み付き、キマイラを投げ飛ばした。

炎は消えず、僕の体を燃やしていく。
(あっち〜。)
体を地面に擦りつけて消そうとした。
(こりゃ…消えねぇ…。)

諦めかけた時、天から滝のような水が落ちてきた。

「イテテテ!!なんだよこの水っ!!」
(…あれ?この技が出来るのって…。)

恐る恐る後ろを振り向くと、ゲラゲラ笑うライアンの姿…。

「ライアン!!」

「あははっ痛かった?水出し過ぎちった♪ごめんね♪」

僕は思わず涙…。

「もう…ダメかと思ったじゃんかっ!!」
怒鳴りつけながら近寄る。

「あ〜おかしい♪…俺だけじゃねぇぜ。」
後ろを指差し、僕はその方向を向く。

みんなが立ってる…。

「あ…みんな…。」
(ちくしょ〜涙もろい………。)

「やだ、ハーンてば泣いちゃって。子供みたい♪」
エリンも笑って僕を抱きしめる。
エリンも涙目だった…。

「なんで?どうして?みんなまだ妖力あったの?」
僕はみんなの顔を見ながら質問する。

「ハーン…。後ろ見てみろ。」
死神は僕の体を後ろに向かせる。

みたことある足…?

すぐ見上げる。

「久しぶりだな…ハーン…。」

「ゲッ!!親父!!」
僕がこの世で一番怖い人物…。
レン・ジャネット………。

思わず逃げようとすると、僕を猫づかみして持ち上げる。

「みんなのキズ治したんだ…。礼ぐらい言えねぇのか?あん?」

「あ…ありがとうございます…お父サマ…。」
コイツの存在は、人間界で言う『ギャング』より怖い。

「オイ!!話シ弾ンデンジャナイ!!」
キマイラは苛立って怒鳴る。

「よし…第二ラウンドといきますか…?」
みんながいれば
もう…
怖いものなどない…。

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