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DRAGON LOVER 59

[340]  木村蜜実  2009-10-28投稿
みんな一斉に身構える。

じりじりと近づくと、キマイラはモイライの足に噛み付いた。

「お母さん!!」
奈々が慌ててモイライに近づく。
キマイラはそのままモイライを投げ飛ばす。

遠くで動かないモイライ…。

「…どう…なったんだ?」
僕はモイライをじっと見る。
動かない…。

「死神サマ…。お母さんは…?」

「………切れてしまったよ。糸が…。」
言いにくい言葉…。
死神は、奈々と目を合わさず呟く。

「……いや。お母さんっ!!」
奈々がモイライの元へ走った。
それを引き止めるライアン。
これ以上…。
奈々を怖い目に合わせたくない…。
そう思っているんだろう…。

「ライアン!離してよっ!」

「お前が行っちゃダメだっ!!…俺達でやる!」
僕の顔を見て、そう言う。
僕は静かに頷き、真っ直ぐ前を向く。

「一人残ラズ…。消シテヤル…。」
キマイラの妖力がぐんと上がった。

「あたしも行く!!」
エリンが僕の尻尾を引っ張り叫ぶ。

「イテッ!尻尾は触るなよ…。」
潤んだ瞳…。
一緒に闘いたい…。
僕の事を強い眼差しで見つめる。
僕は、エリンの頬を優しく舐めた。

「俺達に任せろ。大事な姫様達には、もう指一本触れさせねぇ…。俺を信じろ…。」
エリンはその場に座り込み、僕の頭を撫でた。

「………うん。いい子で待ってる♪」
そして頬に唇を優しくつける。

「あの…やっぱり俺も行かなきゃダメ…?」
いじいじしながら、僕に問い掛ける死神。
それを見て、親父は死神の襟元をつかんで…

「イヤとは言わねぇよな…。お前もSクラスだったよなぁ…?」
(こわ………あれが親父だなんて思いたくない………。)

「やだなぁ…レン。むきになることないぢゃ〜ん。冗談だよぉ〜。」

「よっしゃ〜妖力高めろ!!『禁断の魔力』使え!!」

僕も
ライアンも
死神も………
そして親父も。
妖力を高め、呪文を唱える。

「ナッ…禁断ノ魔力ダト?!」
あわてふためくキマイラは、攻撃をしようとした…
だが………

「ちょっと!!いい子で待ってないとダメなんだから!邪魔しないでよ!!」
エリンは変身をして踏み付ける。同時に、奈々もキマイラの動きを止めた…。

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