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十字路とブルースと僕と俺 39

[216]  ティシュー  2009-10-29投稿
その後、ジョンは(なんて呼べばいいかと聞くと、こう呼んでくれと言われそれから俺も村の人達も"奴"のことをこう呼んだ)、俺達の村に二ヶ月ほど居ることになった。友達を探したいというジョンの意向と、金銭面的にも母国に帰ろうにも帰れないという状況とで、一番暑いであろう七月八月の二ヶ月間、ジョンは俺の村に居た。もちろん住居は俺の家ということになった。

俺の家に泊まった最初の晩、ジョンはいつまでも眠りにつけないようだった。何度も寝返りをうち、寝息とは違う呼吸音がいつまでも続いていた。そんな俺も朝方になるまでなかなか寝つけなかった。ジョンは当たり前の如く俺の部屋で寝ることになり、俺とジョンは広くはない部屋で横並びになって寝た。さすがに二日目の夜は、前日からの疲れからか、布団に入るやいなや、一定のリズムで寝息が聞こえてきた。俺もそれにつられるように深い眠りについた。

人懐っこい性格のジョンは、始めのうちは警戒していた村人達ともすぐに仲良くなれた。言葉は通じなくても、気持ちのやりとりでなんとかなるものらしい。もちろん俺もその中の一人で、言ってる事はよくわからなくても意思の疎通は出来ていたと感じた。特に俺の場合はギターという仲介人ならぬ仲介物があったのが大きかったと思う。

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