この空が絶望に染まる、その前に 〜アバドン〜
ルシーが構え、
ルカも慌てて構えた。
ロランは恐怖で震えていた。
「…あなたは?」
ルシーはひるむことなく尋ねた
「私の名はアニラ。
アバドン軍の者です。」
男は怪しげな笑みを浮かべた。
「アバドン…?…」
「私達は世界をもう一度
素敵なものに
変えようとしているのです。
この世界の“再生”を…」
「アバドンだがなんだか
知らないけど
村をこんな無惨なものに
しやがって…
許さねえ!」
「許さないのは勝手ですが
生存者を残すわけには
いきません。
すべて“消滅”しなければ…」
アニラの言葉とともに
周りの仮面が動きだした。
ルシーに一人の仮面男が
襲いかかる。
飛びかかった敵を
素早くよけルシーは
後ろに回った。
ルシーの攻撃で男は倒れ、
また次が襲いかかる。
ルカにも男が襲いかかった。
ルカは身をかわし
素早く呪文を唱えた。
ルカが人差し指で差すと
男に火がつき
炎となり消えた。
ロランに襲いかかった男にも
同じように人差し指を向け
男は炎のくずとなった。
やがて、アニラ一人が残された。
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