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神のパシリ 17

[400]  ディナー  2009-10-30投稿
「神の…使い…」

オウム返しに呟くレミーシュに、ゼルはニヤリと笑った。

「…神の使いならどうする?その身を捧げるか?」

真紅の瞳に意地悪く全身を舐めるように見られ、レミーシュは顔を今度は耳まで赤くした。

「…さ、さぁねっ」

「…で、どうなんだ」

「…そういえば…」

大きくなる鼓動を隠すように、やや声を張ってレミーシュが話し出した。

「最近…人が傷も何もなく死んでるのをよく見つける…って、仲間が言ってた。
ゼル…の言う通り、病でも事故でもない。
しかも、みんな生きているかのように死んでるの。
時間が止まったかのように。
詳しくは分からないんだけど…とにかく、ロロでは不自然だって」

「ここで死ぬ奴に、綺麗な骸はない。頭をカチ割られたり、腕を落とされたり、首だけだったり…な。女はたいてい犯され、綺麗なパーツは売買用に切り取られてる。」

メッツェが補足する。

「詳細を聞きたい。誰か分かる奴はいないのか?」

「リーダーなら…」

「ギルドのか」

「うん…フェルゼル兄が死んでから収まったリーダー。私はフェルゼル兄の金魚のフンだったから、リーダーが変わってからは位が下がって…会わせてもらえるかどうか…」

レミーシュは視線を下げ、物憂げな表情を浮かべる。

「…私がなんとかしてやろう」

とメッツェ。

「正直、人が死ぬのはどちらでもいい事だ。命はいずれ消えるものだからな。
ただ、あまり死なれるとこっちは商売あがったりなんでね。
それに、私もレミーシュも、ロロでは貴重な善人なのさ」

人間にしておくには惜しい奴だ。

久しぶりに、ゼルの好みに合う喋り口のメッツェに、ゼルの口元が軽く緩む。

「頼めるか」

「ああ。また進展があったら来る。あんたはまだここにいた方がいい。追われているなら、身の潜め方くらいは分かろう」

ゼルが軽くうなずくのを確認する事なく、メッツェはゆっくり扉を外へくぐっていった。

「…お前、いい奴に恵まれたな」

「…うん。メッツェは私のお父さんみたいなもんだよ」

サイズに自信があるのだろうか。レミーシュはまた豊満な胸をはった。

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