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タイムカプセル 21

[377]  内田俊章  2009-10-30投稿
あぶり出し ?

 会議室に戻ると、皆は、ワクワクしながら、袋を開け始めた。

 防水がしっかりしていたため、シミ一つ無い状態だった。

 「ワッ!下手くそな字!」

 一人の男が言った。

 「本当だ。何を書いたか、読めないや!」

 それぞれの袋の中には、懐かしい思い出がいっぱいだった。

 「ねえ亜紀。何が入ってた?」

 大石めぐみが、亜紀の袋を覗いた。

 「あぁ、これこれ!」

 亜紀が、袋から取り出したのは、手紙の封筒だった。

 めぐみは、封筒の表書きを見て驚いた。

 「アッ!“ケンちゃんへ”だって!」

 「謙介へのラブレターか?」

 智樹が言うと、亜紀が清ました顔で答えた。

 「そうよ!」

 「“そうよ”って、亜紀!そんな物入れたのか?」

 謙介が顔を赤くして言った。

 「良いじゃないの。どうせあんた達は、結婚する約束をしていたんだから!ねえ、皆」

 めぐみが言うと、誰もが頷いた。

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