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タイムカプセル 23

[338]  内田俊章  2009-11-01投稿
あぶり出し ?

 そう言いながら亜紀は、便箋を封筒に仕舞うと、謙介の胸のポケットに押し込み、謙介の耳元でささやいた。

 「その秘密を、後から教えるから」

 「ええっ?」


 午後6時からは、市街地の旅館を貸し切って、同期会が始まった。

 懐かしい昔話や、タイムカプセルの話で、宴会は大いに盛り上がっていた。

 ほろ酔い加減の亜紀が、謙介の隣にやって来た。

 「亜紀。さっきの秘密って、何だよ?」

 謙介もかなり酔っていたが、思い出したように、胸のポケットから手紙を取り出した。

 「今、教えてあげる」

 亜紀は、そう言いながら便箋を取り出すと、テーブルの上のキャンドルに近づけた。

 謙介は、慌てて亜紀の手首を掴んだ。

 「危ない!何をするんだよ!」

 「良いから、見てて!」

 亜紀は、キャンドルの10cm程上に、便箋を持っていった。

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