携帯小説!(PC版)

帰り道

[380]  朱雀  2009-11-02投稿
夕暮れに燃えた西の空

足をとめた帰り道

見上げる瞳は朱い硝子

胸にあふるる思いは何処へ

流れ着けば安堵の笑顔


あなたの住む西の彼方に
風に乗った私の言霊
あなたの渇いた心に降り注ぎ
潤す雨は私の言霊


一体何を恥じましょう
一体誰を恥じましょう


踵を返したその先は

反りの付いた針ばかり

先待つ苦痛に歪みつつ

進めた脚は穴だらけ

後には黒い血の海だけよ


あなたの足がすくむのなら
私の背中にのればいい
あなたの瞳が歪むのなら
瞳を閉じて眠ればいい

苦痛は全て受けましょう
慣れた私が受けましょう


どうせここは帰り道

幾度も歩いた帰り道

今日はあなたと帰り道

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