久典『あれれ？もう死んじゃった？』


つぶやきは誰にも拾ってもらえなかった。


目の前にあるのは人ではない、肉の塊。


久典『二十本しか打ち付けてないってのに・・・』


この前の玩具はまち針九十・・・何本だったかな、忘れちまったよ。


久典『････つまんね』


もっと骨のある奴はいないもんかね。









洋平『誰だあんた？』


見るからに二十代前半の男性は井口明人（いぐちあきと）と名乗った。


明人『お前二週間寝たきりだったんだぞ』


それより聞きたいことがある。


洋平『お前か？俺を改造人間にしたのは』


明人『改造？何言ってるんだい？』


俺は自分のあるはずの右腕を指差した。


明人『あぁ、それね、切断しちゃった』


洋平『え？』


何言ってやがんだ？


明人『切断しちゃった♪』


洋平『は、はははははは今日はエイプリルフールでしたっけ？』


明人『君の両腕にはまち針が大量に刺さっていてね。右腕の負傷が特に』


洋平『なんだよまち針って！そんなこと全然･･･』


記憶に無い。


そもそもなんで俺はここにいるんだ？


明人『命を救ってもらえただけありがたいと思わないのかな？』

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