神のパシリ 21
「…貴様…何者だ」
ゼルの前の優男は、問い掛けにも眉一つ動かさない。
「…さぁね。君が全部話してくれたら言う…かもねぇ」
「貴様が何者かはっきりしない限り、言うつもりはない」
「…結構ガンコだなあ…そういうの、嫌いじゃないよ」
キアは満足げに笑い、語り出した。
「この街、力が全てなんだ。僕は強いから、みんなすぐに従属しちゃうんだよ…これ多分この街だけじゃない、人間自体の特徴なのかもね。
人間は脆くて弱い生き物だからさ、強い奴に従うのは習性なんだよ。だから、最近すごく…
……物足りないんだよ。
その点君は面白い。興味深い。神のパシリだから、強さも申し分ないだろうしねぇ。
ごめん、支離滅裂になっちゃったね。結論を言うよ。
君に興味津々だから、協力してもいいよ。
ただ、君の素性と目的が知りたいなぁ。
でも、君は言いたくない。
そして、君も僕を知りたい。
ならさ…
勝負しない?人間の男らしく、野蛮で乱暴に、闘いで語り合ってみないかい?」
ゼルは片目を細めた。彼なりの、怪訝な表情だ。
「貴様…俺が小間使いと分かっていながらの言葉か?」
「もちろん。ていうか、普通の人間ならさ、…殺せばいいもの。」
そう言って、キアは指を鳴らした。
音もなく、空間に気配が増え、暗闇の彼方から、レザーのビスチェと小さなショーツを身につけた娼婦のような女が二人現れる。
二人とも、エロティシズムに充ちた体を惜し気もなく剥き出しにしており、
一人はワインを、
一人は黒鞘に収まった大振りのナイフを携行している。
「…まあ、僕が闘いたいんだから、やってもらうけどね。ほら、今イニシアチブは僕にあるじゃない?」
キアのか細い指がナイフを掴み、ついに現れる片刃の刀身は月の光に似て蒼く、峯には、どこかで見覚えのある、滑らかな呪文が刻印されている。
「ほら、君も得物を出しなよ。どんなのが出るかな?」
「…酔狂な奴だ」
ゼルは床に手を突っ込み、天使と刃を交えた時の大鎌を引きずり出す。
冥土で鍛えられた、錆色の刃が鈍く光る。
担ぎ上げたゼルに、キアは口笛を吹いた。
「…へぇ、鎌…なるほどねぇ」
口調に、驚きはまるでなかった。
ゼルの前の優男は、問い掛けにも眉一つ動かさない。
「…さぁね。君が全部話してくれたら言う…かもねぇ」
「貴様が何者かはっきりしない限り、言うつもりはない」
「…結構ガンコだなあ…そういうの、嫌いじゃないよ」
キアは満足げに笑い、語り出した。
「この街、力が全てなんだ。僕は強いから、みんなすぐに従属しちゃうんだよ…これ多分この街だけじゃない、人間自体の特徴なのかもね。
人間は脆くて弱い生き物だからさ、強い奴に従うのは習性なんだよ。だから、最近すごく…
……物足りないんだよ。
その点君は面白い。興味深い。神のパシリだから、強さも申し分ないだろうしねぇ。
ごめん、支離滅裂になっちゃったね。結論を言うよ。
君に興味津々だから、協力してもいいよ。
ただ、君の素性と目的が知りたいなぁ。
でも、君は言いたくない。
そして、君も僕を知りたい。
ならさ…
勝負しない?人間の男らしく、野蛮で乱暴に、闘いで語り合ってみないかい?」
ゼルは片目を細めた。彼なりの、怪訝な表情だ。
「貴様…俺が小間使いと分かっていながらの言葉か?」
「もちろん。ていうか、普通の人間ならさ、…殺せばいいもの。」
そう言って、キアは指を鳴らした。
音もなく、空間に気配が増え、暗闇の彼方から、レザーのビスチェと小さなショーツを身につけた娼婦のような女が二人現れる。
二人とも、エロティシズムに充ちた体を惜し気もなく剥き出しにしており、
一人はワインを、
一人は黒鞘に収まった大振りのナイフを携行している。
「…まあ、僕が闘いたいんだから、やってもらうけどね。ほら、今イニシアチブは僕にあるじゃない?」
キアのか細い指がナイフを掴み、ついに現れる片刃の刀身は月の光に似て蒼く、峯には、どこかで見覚えのある、滑らかな呪文が刻印されている。
「ほら、君も得物を出しなよ。どんなのが出るかな?」
「…酔狂な奴だ」
ゼルは床に手を突っ込み、天使と刃を交えた時の大鎌を引きずり出す。
冥土で鍛えられた、錆色の刃が鈍く光る。
担ぎ上げたゼルに、キアは口笛を吹いた。
「…へぇ、鎌…なるほどねぇ」
口調に、驚きはまるでなかった。
感想
感想はありません。
「 ディナー 」の携帯小説
- あの人への追悼 〜1〜
- あの人への追悼 〜1〜
- あの人への追悼〜始めに〜
- ……クライアナノナカ……………九人目…………
- 『クライアナノナカの真相』ノシンソウノシンソウノシンソウノシンソウノシンソウノシンソウ14
- 『クライアナノナカ』の真相 〜13〜 かつ、八人目
- 『クライアナノナカ』 の真相 〜12〜