角砂糖が溶けていくように ?L
飛行機雲が消えかかりそうになりながら残っていた。
あなたが困惑して視線を逸らして仰いだ空。
「今の私はあの飛行機雲かな。真っ直ぐ伸びていかれそうだったけれど、分からなくなっちゃった。」
消えかかりそうな飛行機雲を見つめたまま、ぽつりと呟いて、視線を私に戻した。
黒く澄んだ瞳はもう、私から何かを読み取ろうとはしていなかった。
「先生は元気?」
懐かしそうに柔らかな微笑みを私に向けた。
「そのお兄ちゃんなんだけれども。あなたのこと、気に掛けてる。連絡先渡したけれど、一度も何もなかったから。」
あなたの懐かしそうに柔らかな微笑みは少し寂しさを含んだ微笑みに変わった。
「ずっと、電話かメールしようと思っていたの。」
あなたは読んでいた本の隙間からしおりを引き抜いた。
お兄ちゃんが連絡先とメッセージを書いたメモを別の紙に連絡先とメッセージを裏と表に分けて貼り付けて、パウチをして淡いピンク色のリボンが通されてしおりになっていた。
話したくなったら連絡して。
綺麗な読みやすい文字のメッセージ。
「眠れない夜のお守りなの。」
そう言って、しおりのリボンを指先で撫でた。
あなたが困惑して視線を逸らして仰いだ空。
「今の私はあの飛行機雲かな。真っ直ぐ伸びていかれそうだったけれど、分からなくなっちゃった。」
消えかかりそうな飛行機雲を見つめたまま、ぽつりと呟いて、視線を私に戻した。
黒く澄んだ瞳はもう、私から何かを読み取ろうとはしていなかった。
「先生は元気?」
懐かしそうに柔らかな微笑みを私に向けた。
「そのお兄ちゃんなんだけれども。あなたのこと、気に掛けてる。連絡先渡したけれど、一度も何もなかったから。」
あなたの懐かしそうに柔らかな微笑みは少し寂しさを含んだ微笑みに変わった。
「ずっと、電話かメールしようと思っていたの。」
あなたは読んでいた本の隙間からしおりを引き抜いた。
お兄ちゃんが連絡先とメッセージを書いたメモを別の紙に連絡先とメッセージを裏と表に分けて貼り付けて、パウチをして淡いピンク色のリボンが通されてしおりになっていた。
話したくなったら連絡して。
綺麗な読みやすい文字のメッセージ。
「眠れない夜のお守りなの。」
そう言って、しおりのリボンを指先で撫でた。
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