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遠い遠い君へ

[293]  くろ  2006-08-08投稿
「なんで、紅璃ちゃんが、そんなこと言うの?」

なんて答えたら良いの?
そんなこと言ったって、これは佳奈先輩の
頼みだったんだもん。仕方ないじゃない。

私は返信をしないでいた。

言い訳が思いつかなかった。

恋の力とは驚くほど強い。
もし、メールの相手が普通の男友達だったなら、
「仕方ないだろ。先輩の頼みだったんだから。」
と強気な態度で言い訳ができただろう。

でも相手は晃輝先輩。私の片思いの相手。
自分でも信じられないくらい臆病になってしまう。

そんなことを悶々と考えているうちに、
メールの着信音が鳴った。

晃輝先輩だ。

(なんだろう・・・。)

メールの中身を見ると、短い文でも、
力強いオーラを持った内容だった。

「全て話して。佳奈の頼みなのか?」

私は観念して、全てを語ることにした。

晃輝先輩からの返信は早かった。

「ゴメン!俺と佳奈の問題なのに、紅璃ちゃんまで巻き込んじゃって。」

「いえ、大丈夫です・・・。」

「それにしても佳奈はまだ俺のことを・・・。
 ぶっちゃけ、俺、佳奈のこと苦手なんだよね。
 なんか、怪しいってか、普通じゃない・・・。」

佳奈のこと苦手なんだよね。

弾んだメールの内容にポッと出た晃輝先輩の本音。
その本音にどこか心の底で安心してしまった私は最低だ。

「普通じゃないって・・・どういうことですか?」

「ん〜、俺が、佳奈以外の女の子と話してるときの
 佳奈の目・・・普通じゃない。」

前に、私の親友の七海から聞いたことがある。
佳奈先輩はクラスで、人を裏で虐めてるとか、
自分の彼氏に近付く女に酷い仕打ちをするとか・・・。

でも、私は、自分に優しくしてくれる、
良い佳奈先輩を信じた。
今まで一緒に同じパートで支え合って過ごしてきたから。
そんな悪いうわさなんて信じられるわけないじゃないか。

普通じゃない。

この言葉が私の頭を駆け巡る。

私はふと佳奈先輩の言葉を思い出した。

「晃輝先輩が紅璃に紙渡してるの見ちゃった。」

その光景を見た佳奈先輩はどう思ったのだろう?
普通じゃない目で、私を見ていたのだろうか。

そう思うと急に恐くなってしまった。

「そうなんですか・・・じゃあ、佳奈先輩に
 メールはしてくれないんですか?」

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